天高く誇り気高く



第2話 始まりに向けて



----------相沢祐一----------




広瀬琢磨か………

夜もふけた町並みを窓から眺めながら、俺は部屋で学園に現れた転校生、広瀬琢磨の事を考えていた。

あゆや真琴を交えた不思議な出会いから始り、今日一日。

俺はアイツの事が気になった。


曰く………何者なんだと








「広瀬琢磨です。これからよろしくお願いします」

願った訳でも無いが、アイツは俺のクラスへとやって来た。

あゆや真琴、風子の事を知っていて、俺の名前まで知っていた妙な奴。

一体なぜ?


確かに、学園内ではあいつ等も俺も、そこそこ知られているとは思うが、それは学園内での事。

今日学園に来たばかりの奴に事前に耳に入る程の有名人では無い。

だが、広瀬は知っていた……なぜ?



「広瀬の席は……坂上の隣でいいな。坂上、手を上げろ」

「はい先生。広瀬君、君の席はココだ」


智代が立ち、自分の隣の席を指差し、声を上げた。

「彼女はこのクラスの委員長だ。なにか判らない事があったら、彼女に聞くと云い。坂上、頼んだぞ」

「はい」

「よろしく。えっと…坂上さん」

「こちらこそよろしく」



なんの変哲も無い一幕だった。





休み時間、まぁいつもの如く、転入して来たアイツはみんなから質問攻めにあっていた。

それで分かった事は…


アイツは拳士である事。
アイツがエアーから来た事。
眼は見えるが修行の為にいつも閉じている事。


まぁ、そんな程度だ。

そして、実技の時間分かったアイツの拳士としての実力。


智代と互角なんてな……

そう。アイツはあの坂上智代と互角に渡り合って見せた。

舞と唯一戦える、あの坂上智代と……





バシィィィ!!

呆然としている俺達の前で、もう何度目かの撃ち合いが演じられた。

同じ拳士同士。手合わせしてみないか?と言った智代に広瀬が応え、戦い始めてもう10分

俺達の前では、目で追うのがやっとの戦いが続けられていた。


「な……なぁ相沢。坂上の奴は調子でも悪いのかな」

ほぉ。もしお前がそう思うなら、お前はかなりの腕前だな。俺には今の広瀬の蹴りを受ける自信は無いが

「そんなもの俺にも無い!」

だったら黙れよ……智代の調子が悪いんじゃ無い……広瀬がすげぇのさ

「人は見かけによらないて言うけど……ホントねぇ」


北川や香里が驚くのも無理無い。俺だって自分の目を疑ってるさ

広瀬の風貌は戦士のそれとはまったく異なる。魔術師や神官って方がよほどしっくりくる感じだ。

幼さを残した童顔と戦士として作り込まれていない小柄な体躯。

あの体の何処に岩をも砕く智代の蹴りを受ける力や、魔獣の一撃を受けきるアイツをブロックごと吹き飛ばす力が在るのか皆目分からん。


ん?広瀬が距離を取った?




「流石!やりますね坂上さん。じゃあ……いきますよ!!ハァッ!バシュゥゥ!!

!!広瀬の奴!腕の一振りで真空波を生み出しやがった!

助走も無しで!!智代!!

「おもしろい!!列空!!バシィィィィ!!

智代もまた真空波を蹴りで生み出した

デカイ!!広瀬の生み出したモノの2倍はある!!真空波は同じ真空波に弱い。流石智代か



「やりますねぇ、坂上さん。でも……甘い!」

バチィィ!!ン


あ!対消滅(あいうち)!!

そんな!智代の技をあんな小さなモノで……消えた!?


「後ろ!!」

「読んだ!?」


バチィィン


……………


「それまで!!」


祐介さんの声で全員が我に帰った。

衝撃波がぶつかり合った瞬間に広瀬は智代の背後にまわり、智代はそれを見切って迎え撃った。

俺達には、直後、互いの蹴りを止めてる二人の姿でしか攻防を想像出来なかったが

「勝負アリ!坂上!!」

どうやら祐介さんには見えてたようだ。それにしても…



「「ありがとうございました」」


広瀬の実力が、あれで全てとは思えない…

礼をしあい、互いの健闘を称える二人の姿をみてて、俺にはそう思えてならなかった。












「祐一く〜〜ん!ご飯出来たよぉぉ」

ああ!今行くよぉ!


あゆの声で、俺はリビングへと下りて行った。

すでにあゆや真琴、名雪も座ってる。いつもの光景。

あゆと真琴は、今日有った事を嬉しそうに秋子さんや名雪に話してる。


「だからね!僕達で辻斬りをやっつけるんだよ!」

「でも危ない事は駄目だよ」

「平気よ!真琴はこう見えても強いんだから」

「あらあら」

「あゆだってこないだコールドの呪文覚えました!」

「あらあら」


いや秋子さん。ニコニコしてないで止めてくださいよ


まったく…

アホな事言うなぽか!ぽか!

とりあえず止めとこう

「あう!なにすんのよぉ」
「うぐ!ひどいよ祐一君」

だまれ。お前らで何とかなる位なら誰も苦労せん!みょうな事考えてないで、とっとと飯を食え


まったく

「うぐぅ。僕達だけじゃないもん」

「そうよ!風子や琢磨だって居るんだから!」

ん?風子はともかく、広瀬もお前達の自警団とやらに入ったのか?

「そうだよ。真琴ちゃんが隊長でぼくが副隊長!」

「へ〜。じゃあ風子ちゃんは?」

「風子は参謀長よ!そして琢磨が部隊長!どう?祐一。いまなら平隊員にしてあげるわよ?」

やかましぃ!




広瀬……あれは広瀬だった。

俺は授業の合間に目にした光景を思い出した。



それは校舎の片隅で……








「けないで!!」

ん?


廊下を歩いていると、誰かの言い争う声が聞こえた。

いや、争うとは違う、誰かが叫んだ気がした。

なぜか気になって声のした方へ足を向けると、少しづつ会話が聞こえた。


「…たにも分かってる筈です」

「わからない…わかりたくも無いわそんなの!!」


この声は……伊吹先生?

「お気持ちは分かります。でも今は備えなければ」

「やめて!!あの子には関係ない!あの子は何も……何も!!」


「でも彼女は」
パシィ!


俺がその時目にしたのは、広瀬の頬を叩いた伊吹公子の姿だった。

「もうあの子には近づかないで!!」

俺を押しのける様に走り去った伊吹先生。

残った広瀬はただ俯いていた

何か……あったのか?

「相沢君…いや。別に何もないよ。それじゃ」


そして俺は一人残された。

でもあの時確かに先生は……










泣いてたよなぁ

「ん?祐一?誰が泣いてたの?」

いや。こっちの話さ

「??へんなの。でも変て言えばさぁ。あの広瀬君、ちょっと意外だったよねぇ。栞ちゃんと知り合いだったなんて。初めはびっくりしたけどね」

あぁ。そうだな



そう。あいつは栞と知り合いだった。

栞が未来を無くしたあの時期の……はじめに気付いたのは香里だった








「あれ?」

ん?どした?香里?

「うん。今、栞の気配を感じた気が…」

「え〜。でも栞ちゃん今日は体調崩して休んでるんでしょ?」

「そうだぜ香里。気のせいじゃないのか?」


それは昼食の時、突然香里が言い出したのが始まりだった。

「そうだけど……でも私が栞の気配を間違えるわけない!私見てくる!」

言って駈け出した香里を

待てよ!香里

「私たちも行くよぉ」


俺達は追いかけた。



校舎内を駆け回った俺達は栞の姿を見つける事は出来なかった。そして、中庭に出た時、香里の感が当たってた事に気付いた。

遠目に見える姿に。

そこには栞が居た。



広瀬琢磨の姿と共に


「あれ?一緒に居るのって広瀬じゃねぇか?」

「あっ。ホントだ」

「栞!」


足早に近づく俺達に気付いていない二人の会話が、小さく聞こえてきていた。

その意味は分からなかったが………栞は何かを広瀬に渡し、広瀬と何やら話していた





「……しの事はどうか気にしないで下さい」

「ごめん。あっこれ、飲んでくれって」

「有希さんですか?」

「うん」


「ありがとうございます……でも私には必要ありませんから」

「栞ちゃん……それでも僕は……僕達は……」

「いいんです。私はもう決めていますから。この……」

「栞ちゃん?」



俺達が二人に近づい時には、二人は抱き合ってるように見えた。


「おい。なんか俺達お邪魔なんじゃ」「ちょっと広瀬君!あんたうちの栞になにや!!」

「え?」



振り返った広瀬に抱かれているのは、気を失いぐったりとした姿の栞だった。



「栞ぃぃぃ!!」

香里は文字通り広瀬から栞をぶんどり、必死に栞に声をかけていた。

「栞!しっかりして栞!栞!!!」


「香里!しっかり!栞ちゃん!」

「俺先生呼んでくる!!」



走りゆく北川を見やり、俺は栞の見た。

確かに香里の言う様に衰弱しているのが分る。

一体どうして……どうしてお前が


……おい広瀬

「なんだい?相沢君」

お前……栞と何してた?

「何って?」

栞は今日、ココには居ない筈なんだよ。それがお前とこんな所で、一体、栞と何話してたんだ!

「君には関係ないよ……まだね」

?お前何い「したの?」?香里?

「なた…栞に何したの?」


なんだ?香里?

おい。香里、お前

「どうしたの香里?」


「うわあああぁぁぁ!!!」

香里!!


香里は叫ぶと同時に剣を抜き、広瀬に斬りかかった。

ちぃ!まずい!!香里の奴イッちまってる!


「栞にぃぃぃ!!私の栞に何をしたぁぁぁぁ!!」


まずい!!

香里は剣士としては、かなりの腕だ。

舞や智代には敵わないが、それこそ学内でも上位に位置する実力である事は間違いない。

そして広瀬は、あの智代と互角の腕。二人がやり合って無傷で済むはずが無い。

おまけに香里は頭に血が上ってる!まずいぞちくしょう!!

よせ!香里!!

「落ち着いてよ香里ぃ!!」


広瀬は香里の剣を難なくかわしている。

冷静さを欠いている香里の剣では広瀬を捉える事は出来ないだろう。

しかし……

「どうして!どうして栞にぃぃ!!」

香里お前………


香里は泣きながら剣を振るっていた。

怒り、憤り、そして悲しみ。

さまざまな感情が香里の中で渦巻いているようだった。

「はぁはぁはぁはぁ…」

香里…もういいだろ

「もう止めようよぉ、香里ぃ」


暴れ疲れた香里が動きを止めた時、俺達は気を抜いてしまった。

そして、栞が僅かに眉を動かした時、広瀬に隙が出来てしまった。


「うわぁぁぁぁ!!」

!!香!!

「!くっ!!」
瞬間、香里は広瀬に突きを繰り出し、虚をつかれた広瀬は、ついに香里へ拳を繰り出した。



トス……

つっ!!

「なっ!」

「え?」


「ゆういちぃぃぃ!!」



香里の剣は、割って入った俺の腹に柄まで刺さり、広瀬の拳は、俺に当たる直前で止まっていた。

さすがに、背後から打たれてたらヤバかったぜ。

「相沢君あなた!!え?」



ぎゅっ



とりあえず香里を抱きしめた。

落ち着かせるのが先だ


香里、もういい。もういいんだ

「相沢くん……」

栞は大丈夫だ……きっと病気だって治る。だから今はもういいだろ?香里

「あい…ざ……」

香里?

「眠っちゃったよ、祐一」

名雪……すまん、癒してくれるか?流石に……痛くて泣きそうだ

「もう。無茶するからだよ、祐一は」



名雪が俺にヒールを施している間、広瀬は黙って俺達を眺めていたが

「ありがとうって、言っといた方がいいかな?相沢君?」

別にいらん。ってゆうかお前、俺が入らなかったら、香里を打ってたろ?

「はは、まぁちょっと余裕無かったからね。怪我はさせない様にしたとは思うけど。流石に僕には君と同じ真似は出来ないよ」

はっ!そいつは何よりだ。こんな真似、お勧めは出来ないからな

「おや?何故だい?随分効果的みたいだし、それなりに役得も有りそうだけどね」

死ぬほど痛いからさ

「は……ははははは。うん、君は面白いね」


別に笑わせるつもりも無いがな。

それよりも

礼はいいから教えてくれよ。栞となにしてたんだ?

「別に。ただの知り合いさ。彼女は昔、エアーに居た事があるんだ。その時に知り合った。それだけさ」



そう言って、俺達を残して去った広瀬の言葉を裏付けたのは、他ならぬ栞だった。

その後、香里は何度も広瀬に謝ってたが、広瀬はいっこうに気にした様子も無く、あきれるほど呑気だった。











ほんと、何が目的なんだかな」

「ん?誰の?」

だから広瀬……またか。

「祐一?」

なんでもない


この癖、何んとかせんと、おちおち考え事も出来んな。

「ふふふ。でも二人とも。あんまり危ない事は止めてね」

「うぐ?」「あう?」


すでに晩飯を食べる事に必死な二人に秋子さんが注意を促してくれた。

もう、二人にとって、秋子さんは母親のようなものだからな。

「約束して下さい」

「「でも」」

「約束」

「「は〜い」」

「ありがと。祐一さん、この子達の事、よろしく頼みますね」


頼まれてもなぁ

「任せてよぉ。祐一も私も付いてるし。広瀬君も一緒なんでしょ?広瀬君って、とっても強いのよぉ。なんてったって、あの坂上さんと同じ位強いんだから」

ま、たった一人しかいない部隊の部隊長ではあるが、アイツが強いのは確かだ。

万が一、こいつ等自警団が辻斬りに出くわしたとしても、広瀬がいればあるいはホントに退治するかもな

そして……

「そう。なら安心ね」

秋子さん

「なんですか?」

アイツとは……広瀬琢磨とはどういった知り合いなんですか?

「………」

「祐一?どうしてそんな事聞くの?お母さんが広瀬君の事なんて知ってるわけ」

今日、俺が帰って来た時、広瀬が居た

「どこに?」

ココ

「ここ??」

この家の、このリビングにだ

「え?お母さん??」



そう。アイツはこの家に居た。










ただいまぁっと

ん?客か?

玄関先には見慣れない靴が一つ、揃えられていた。

どうやら名雪もあゆも真琴も、まだ帰宅してないらしい。

どうせまた百花屋にでも寄り道してるんだろうが

ま、居候の身だからな、せめて行儀良く挨拶でもしとこうか

でも、近ずくドアの向こうから聞こえてきたのは……


「…れは了承出来ません」

「でも秋子さん!」


「わかっています!でも!!そんなの……それだけは了承出来ません!!あの子は……あゆは私の娘です!!」

「……わかりました。暫くは貴女に一任します」

「ごめんなさん。貴方には迷惑をかけるばかりで……私のわがままだって事は分かってるんです。でも」

「いいんです。それが間違っているとは、誰にも言えませんから……公子さんには叩かれました。秋子さんには叩かれなかっただけマシです」


!!

伊吹先生に叩かれたって…広瀬か!?

ガチャ!

「あ!祐一さん!おかえりなさい」

「お邪魔していますよ。相沢君」


広瀬、お前一体ココで何してる!

「ん?なにって言われても……秋子さんんにお茶を御馳走になっていますが?」

だから、なんでお前が秋子さんを知ってるんだ?

「なんでと言われても」

あゆ、真琴、風子に俺。そして栞、最後は秋子さんか!お前一体何者なんだ!目的は何だ!!


もう、こいつの言動には我慢の限界が来てた。

秘密があるのはいい。謎を持つのも大いに結構、だがな。

いい加減俺の周りでこそこそ動くのは止めてくれないか

「君の周りで動いてるつもりは無いんだけどね」

あぁそうだろうさ。でも結果として俺の目や耳に入ってきてるんだよ

「ふむ……まぁそうか……うん。今後気を付けるとするよ」

別に気を付けんでも良い。ただ聞いた事に答えてくれりゃそれでな

「別に隠してはいないよ。秋子さんがいいなら僕はね」


どういう意味だ?

「祐一さん。今は待っていただけますか?」

秋子さん……

「では、僕はこれで」


部屋を出る広瀬を見送る事も無く、秋子さんは黙って座っていた。

秋子さん……くそっ!

俺が玄関先に飛び出すと、少し離れた所に広瀬の後姿があった

広瀬!!

「ん?まだ何か?」


まだも何も、お前はなにも答えて無いだろうが!!

お前は朝、俺に敵では無いと言ったな

「はい。誓って、とね」

誓ってか……だが伊吹先生はお前を拒絶した。秋子さんはお前に謝った。俺にはお前が味方に思えないんだがな

「はは。そうですね……そうかもしれませんね」


アイツの苦笑はどこか寂しげだった

なぁ。広瀬。俺にはお前が何を抱えてるのかは知らんし、肩代わりをしてやる積もりも無い。でもな……聞くだけは聞いてやれるぞ

「相沢君?」

で、聞いた後で首を突っ込むのは俺の勝手だがな

「……はは。だから君なのか……」

ん?なにがだ?

「いや。君に会えて良かったと思ってね。君で良かった」

なんだか知らんが、どうだ?少しは話していかないか?

「君に一つだけクイズを出すよ。君は怒るかもしれないけど……いつか君の答えを聞きたいから」

一体何を


そして広瀬は俺に向き合いクイズを出した。

忌々しいクイズを……



「では問題です。回答期限は……わかりません

世界を滅ぼす魔王が復活し、君が戦う事になりました。
君の敗北はそのまま世界の滅亡です。
魔王を倒す方法はたったの2つ。それ以外の選択肢は全人類の死滅を意味します。
2つの方法のどちらを選択しますか?

一番、妹の命と引き換えに得られる神剣で魔王を切り裂く
二番、娘の命と引き換えに得られる神槍で魔王を突き刺す

さぁ、どっちを選ぶ?」






おい?一体なんだ?

なんだ?この馬鹿げた問題は?

「相沢君?どうかしたのかい?」

……おい広瀬

「ん?もう答えが出たのかい?さすが相沢君だ!で?君はどっちを選ぶんだい?」

ふざけてるのか?

「心外だなぁ。これでも結構真剣に考えたんだけ」ふざけるな!!


そんなクイズには答えるだけ無駄だ!どっちも選ぶ訳無いからな!

「う〜ん。そうなるとクイズになんないんだけど」

だったら三番だ!

「世界の滅びを?」

いんや。お前を切り裂いて、剣でも槍でも取り出してそれで戦うさ!それほど世界を思うんならお前が自分で犠牲になればいい!!

「ははは。うん。それもそうだね。でも僕にはそんなモノ無いからね。ちょっと不正解だね」

だったら俺にも妹も娘も居ねぇよ!

「それは残念。設問にむりがあったか」

そうだな!っつうか設問が悪趣味だ!!どうもお前にはその辺のセンスが無いらしいな!気分悪い!!引き止めて悪かったな!!


え〜〜い!腹立たしい!

大事なモノのうち、どちらかを差し出せと言われたらどうするかって事だろう?お前の言いたいのわ!!

そんなもん、どっちもお断りに決まってる!0.1秒も考える必要な無いな!!










今、思い出してもムカが入るな!

あんな奴と秋子さんが知り合いなんてあり得んのだが

秋子さん。広瀬をどうして秋子さんが知っているのか、教えてくれませんか?

「彼は………」

「お母さん?」

「ふぅ……広瀬琢磨は、私の甥です」

へ?甥って

「えっと……それって」

「私の兄、広瀬冬也の息子です。あなた達の従兄妹ですね」






なにぃぃぃぃ!!
「え〜〜〜〜〜〜〜」













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月下の下、街を見下ろす物見の丘に、独り佇む者がいる。

名は広瀬琢磨。

彼はその真紅と深蒼のオッドアイで、街並みを眺めている。

「相沢君……答えを考えて。悲劇はきっと、突然訪れるのだから」


「よう!」


突然、彼の背に声がかかる

振り向いた先には、長髪を無造作に束ねた、大柄な剣士が立っていた


「!!………いつコッチに?」

「ついさっきさ。てっきり感づいてると思ったがな」

「はは。そうでも無いですよ」

「へっ。どうせ俺が居るからお前は動かなかったんだろうに」

「ふふふ。で?用事は済んだんですか?」

「ああ。後はアイツ次第さ」







「そうですか……では行きましょうか………覇王丸さん」

「ああ」



そして二人の姿は風に消えた




第2話  完 

Shadow Moonより

諸事情により、すみませんが感想は後日……


ダイ様への感想は掲示板へ。

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