「つーわけで、とりあえず連載開始された雪の街の魔法使い! 今回もとりあえず、主役を勤める相沢祐一だ」
「P-KANONでは、まだ出番どころか、名前すらも出してもらえてない月宮あゆだよ! この連載では、ようやく! ボクの出番がまともにあるという話だよ! しかもヒロイン格! やったー!」
「とはいえ、おそらくこのままでは何の作品だか分からん、という方も大勢いらっしゃる、ということで俺とあゆで、この作品について、対談形式で、ある程度ネタバレしない程度に解説しよう、ということだな」
「わー、ぱちぱちぱち」
「人事みたいに言うな! お前も解説するんだよ!」
「うぐぅ、分かってるよ……そんなに怒らなくても……」
「と言うわけで、この作品はぶっちゃけて言ってしまえば、主にKEY系作品と、TRPG『ナイトウィザード』のクロス作品になる」
「主に?」
「ひょっとすると、他作品のキャラも出すかもしれない、と作者は考えている。もちろん、これまで登場したナイトウィザードのキャラは何人かは絶対に出す予定。てゆーか、出さないと何のためのクロス作品か、と言う話だわな」
「そうなのかー」
「お前はどこかの宵闇の妖怪か」
「うぐぅ、その発言は何か色々やばいよ……」
「まあ、とにかく、読者の方々にもついていけるよう、ここから俺たちがこの作品の世界観について解説していくぜ」
「ちなみに今回のお話は、最近発売された2ndエディションの世界で進めていくので、もし1stエディションしか持ってない人は、ちょっと戸惑うかもしれないけど、そこはごめんなさい、と作者さんからのコメントだよ。ホントは1stの方でやりたかったらしいけど、作者さんがルールブックを失くしちゃったから(笑)」
この世界ってなんなの?
「まず、これなんだが、基本的に普通に俺たちの住んでる地球、と捉えて構わない」
「基本的に、というのがミソだよね」
「そう、この世界は『科学』と『常識』と言う名前の結界、『世界結界』によって守られている。そこで何も知らない普通の人は何気ない日常を送ってるわけだ」
「うんうん」
「ところがどっこい、世界は裏界と呼ばれる異世界の住人、エミュレイターから、常に狙われ続けている!」
「うぐぅ! い、一体どうして!?」
「裏界では、何らかの理由で俺たちが存在するためのエネルギー・プラーナが枯渇している。だから裏界の奴らは、そのプラーナを求めて俺たちの世界へやってきて、プラーナを奪うんだ」
「そのプラーナと言うものがなくなると、どうなるの?」
「この世界から消える。最初からいなかったものだとして扱われる」
「うぐぅ!!」
「しかし、人知れずそれを阻止するのが俺たち、人が遠くに忘れ去った『魔法』の力でエミュレイターと戦う夜闇の魔法使い、ナイトウィザード、と言うわけだ」
「おー、かっこいい!! でも、なんで? どうしてヒーロー戦隊のように、かっこよくアピールしちゃいけないの?」
「そんなことすると、さっき言った人々の『常識』が揺らいで、『世界結界』が崩壊する。そもそも、『世界結界』はそのエミュレイターの侵入を阻止するために作られた結界なんだ。それが崩壊してみろ。あっという間にエミュレイターが大挙してやってきて、世界は滅びちまう。そうならないために、俺たちの存在はおおっぴらには出来ないし、しちゃいけないんだよ」
「な、なるほど……あれ? でも、さっき世界は『科学』と『常識』に守られてるって言ってたよね。どうして『魔法』なんて非常識な力が使えるの?」
「それを可能とするために、編み出されたのが〈月衣〉という個人的な結界だ。これは「かぐや」と読む。これのおかげで俺たちは『世界結界』の『常識』を遮断して、『世界結界』の中でも、魔法や超能力が使えるようになるようになる上、物理法則の『常識』をも捻じ曲げ、一般人が死に至るような要因では、簡単には死ななくなる。たとえ一般人に普通の拳銃で撃たれても、死なない。ついでにこの〈月衣〉には、制限こそあるが、物を隠したりすることも出来たりする」
「それってもしかしなくても無敵じゃない?」
「一般人相手なら、そうだな。しかし〈月衣〉は当然エミュレイターもこっちの世界に侵入する際に使用している。だから一般人では絶対にエミュレイターは倒せない。倒せるのは俺たちウィザードだけってこと」
「そっかー、それでボクたちの出番なんだ。うん、一つ勉強になったよ」
ウィザードって何?
「さっきも言ったが、人が遠くに忘れ去った魔法の力を駆使し、人知れずにエミュレイターから世界を守る存在だ」
「それはさっきも聞いたよ。具体的にはどんな人たちのことをウィザードって言うの?」
「まあ、ピンきりだな。さっきから言ってるように古来からいる魔法使いもそうだが、日本由来の陰陽師や忍者、エクソシストや除霊師、転生を繰り返しながら戦い続ける奴もいる。それから、人為的な力や修行で人間離れした力を得た人間とか、サイボーグやホムンクルスと言った人造人間、天使や、ちっぽけな神様とか色々だ」
「……今、明らかに魔法と無関係そうな人がいたような……」
「いや、この世界ではとにかく『常識』から外れた人間離れした力を持つ奴らのことをみんなまとめてウィザードと呼ぶんだ。分かったか?」
「ちょっと納得してないけど、うん、分かったよ」
「ウィザードたちはさっき言った自分のプラーナをコントロールして、力を発揮する術を知っている。それを使って、攻撃力や魔法の力を底上げしたり、体力や魔力を回復したり、特殊な力を発揮することが出来る。ウィザードはプラーナの存在を自覚することで、はじめてまともにウィザードとしての力を振るえるわけだ」
「そっかー、うん、これもいい勉強になったよ」
「それと、これも説明せにゃならんな。俺たちウィザードは、世間では秘匿とされてるが、中には俺たちウィザードに協力してくれる組織もある。俺たちウィザードはそいつらの支援を受けて活動しているわけだ。まあ、俺のようにどこの組織にも所属してないフリーランスのウィザードもいるが」
「例えばどんなのがあるの?」
「有名どころだけ上げていけばいいか。まずはアンブラ社。これは俺たちが使う“箒”を開発するアメリカの企業だ」
「ほうき?」
「魔法使いと言えば空飛ぶ箒だろ? アンブラ社はそれらを開発し、俺たちウィザードに提供する。代表的な物と言えば、射撃搭乗型箒“ガンナーズブルーム”、対白兵戦用箒“ウィッチブレード”とか、だな」
「……それ、ほんとに箒?」
「箒と言ったら箒なんだ(きっぱり)。それから絶滅社。表向きは傭兵斡旋企業だが、本当の姿は、科学と魔法の力で生み出した強化人間や人造人間を生み出し、世界を守護する組織。結構なりふり構わないところがあるんだが、世界のことを考えてるのは事実だ」
「なりふり構わないって、具体的には?」
「薬物投与による人間強化、非人道的な手段による人造人間の開発とか、だな」
「うぐぅ……」
「ま、それは置いとけ。次にロンギヌス。世界の守護者と呼ばれるアンゼロットが結成した世界の守護を目的とした戦闘集団だな。俺もかつてはここにいたことがある」
「って、ここでばらしちゃっていいの!? 祐一君!」
「いいんだよ。どうせこの後キャラ設定資料も出すんだから(笑)」
「そ、そんな身も蓋もないことを……」
「余計なツッコミノーサンキューだ。話を戻すが、アンゼロットは何もロンギヌスだけに任務を与えるわけじゃない。有事には有能なウィザードを召喚して、『これからする私のお願いに、ハイか、イエスでお返事してください』と任務を言い渡すこともある」
「ハイか、イエスって……それって、拒否権がないんじゃ……」
「そうなんだよ、あのババア、いっつも人の都合考えねえで呼び出して、死ぬような任務を毎回毎回押し付けやがって……」
「わー! わー! 祐一君落ち着いてー! 今凄いやばい発言してるからー!」
「……はっ、いかんいかん。とまあ、これ以外にも、大魔術師マーリンによるダンガルド魔術学校、コスモガード連盟、DHA(ドリームハンター連盟)など、ウィザードに協力してくれる組織はまだまだある」
「ふーん、そっか、また一つ勉強になったよ」
エミュレイターってどんな奴?
「あゆはモンスターといったらどんなのを思い浮かべる?」
「え? うーんと、鬼とか、幽霊とか、吸血鬼とか……」
「そう、簡単に言えばそいつら全てがエミュレイターなんだよ」
「うぐぅ?」
「伝説上、人を襲ってきた怪物や妖怪たち、これらは全てエミュレイターと言われてる。今でも、伝説に描かれる姿で襲い掛かってくるエミュレイターもいるぞ」
「そ、そうなんだ……知らなかったよ……」
「しかしエミュレイターの中には明確な形を持たない奴らもいる。そいつらは意思の薄弱な動物や、人の心の弱みに付け込んで身体を乗っ取りに掛かる。それらは“憑かれしもの”と呼ばれている」
「そ、それは可愛そうだよ。助けられないの?」
「初期の状態なら、瀕死の重傷に追い込めば何とか無理やり引き剥がせるが、末期になった奴はもうどうしようもない。殺してやるのがせめてもの慈悲だ」
「そっか……」
「そしてそいつらを統括しているのが、魔王と呼ばれる桁外れの強さを持ったエミュレイターだ。こいつらは裏界帝国とやらで統治されていて、世界転覆の機会を常に窺っている」
「うぐぅ、響きだけで強そうに聞こえるよ……」
「とはいえ、実はこいつらもピンきりなんだよなー。辛うじて魔王と呼ばれるだけの強さの奴らもいれば、本当に洒落にならん強さの奴もいる。それでも並みのウィザードでは太刀打ちするのも難しい。まあ、そういう奴らが大挙して本格的に攻めてきたら、終わったも同然だが、幸いにして、よほどのことがない限りそうはならないだろうな」
「なんで?」
「基本的に魔王は『世界結界』の中では大幅に力を削がれて、本来の力を出し切れない。だから奴らは映し身を俺たちの世界に送り込んで、色々と策を練って配下のエミュレイターに実行させるのがほとんどのケース。無論、魔王自身が手を下す場合もあるぞ。この映し身とやらがほとんどの奴らが美少女と来るもんだからやり辛いったら……」
「祐一君……(ジト目)」
「そ、そんな目で見るな! 男だったら当然の反応だろうが! とにかく! 魔王の映し身とはいえ、倒せばそれなりに力を削ぎ落とすことが出来る。が、本体は無事だから、力を取り戻せば、またこっちの世界にやってきて、世界を滅ぼそうと画策する」
「魔王たちが協力して攻めてきたら、ボクたちで戦える?」
「それはめったにないと思うぞ。基本的に魔王は互いを出し抜いてやろうと考えてる連中だからな。基本的に仲間意識という概念なんざありゃしない。最も、利害関係が一致した場合は話が別だけどな」
「なるほどなるほど……」
「エミュレイターがこっちの世界に攻めてくるとき、奴らは必ずと言っていいほど、〈月匣〉と言う結界を張ってくる。ちなみにこれで『げっこう』と読む。エミュレイターが『世界結界』に対抗するために編み出した結界で、これは時として、大規模な迷宮となってることもある。こういう〈月匣〉はフォートレスと呼ぶときともあるな」
「その〈月匣〉が展開されると、どうなるの?」
「ウィザードや一部の人間以外は完全に無力化される。たとえば、人がたくさんいるでかいデパートの中でエミュレイターが〈月匣〉を展開したら、買い物に来てる客の中には、何も気づかずに消されてたり、下手すると、買い物客、スタッフみーんなプラーナ抜かれて消されちゃいました、と言うこともありえる」
「うぐぅ! それは怖いよ!」
「そして〈月匣〉が展開されると、必ず空に紅い月が昇る。これはどこであろうと同じこと。宇宙空間だとか、はるか銀河の彼方であろうと、な」
「って、宇宙の中じゃボクたち生きていけるわけが……あ」
「(ニヤリ)そう、俺たちの展開する〈月衣〉は『常識』を遮断する。当然、俺たちが宇宙空間に放り出されても、何の問題もなく活動できるんだ。ちょっと話は脱線したか。話を戻すぞ。実は最近になって、俺たちウィザードも〈月匣〉を展開できるようになった。ウィザードの技術も日々進歩してるってわけだ。もちろん、このときにも紅い月は昇る。一説では、紅い月こそが、世界の真の月ではないかと言われているが、ま、そんなことは割とどうでもいい話だな」
「うん……ちょっと頭から煙が噴出しそうだよ」
「ま、難しく考えるな。エミュレイターは俺たちの敵。それでいいな?」
「う、うん。それは分かったから大丈夫だよ!」
「実は最近はそれだけじゃないんだがな……」
「ん? 祐一君、何か言った?」
「いや、特に何も。作者もあいつらに関しては慎重に考えてるから当分出さないつもりだし、説明は省いてもいいよな……」
「うぐぅ、気になるよぅ……」
解説終了!
「とまあ、ここまで説明すれば、大体理解してもらえるか?」
「多分、大丈夫だよ。それにいざとなったら、Wikipediaという便利なサイトがもがもが」
「さー、不穏なことを言う誰かは無視して、これで俺たちの説明は終わりだ。もしも、機会があったらでいいんで、興味があったらルールブックを手にとって、人数集めてプレイしてみてくれ。それじゃあなー」
「もがー! もががー!」