子供部門第2回戦
天低門
白銀武VS七夜香奈美
斉藤徹VS浦島可奈子
狭地門
両義式VS七夜志貴
式森和樹VS乙姫むつみ
浅海門
神凪和麻VS石蕗真由美
鉄乙女VS神凪咲耶
小人門
神凪綾乃VS神咲薫
美坂香里VS坂上智代
匆々たるメンバー
彼ら彼女らの名を知らぬ者は誰一人としておるまい
経験こそ少ないが実力はもはや大人の術者にも劣らぬものを誇る子供達
「それでは、白銀武、七夜香奈美、前へ!」
誰よりも気高く強く、そして・・・
第1章 第16.1話 全門第2回戦開始〜二人の『死』闘〜
2回戦第1試合は正に白熱戦
どちらも身体能力が高いため、接近戦での勝負となっている
「やっ!」
「ほっ!」
刀同士がぶつかり合い、火花を散らし、金属音を響かせる
そのほとんどが上空5mの地点で行われている
武は霊子で作った足場を使い、縦横無尽に空を駆け巡る
香奈美は空中を蹴る荒技歩法で空を翔け巡る
「ちぃっ!」
しかし、暗殺は基本的に接近戦を得意とする
武の練度では香奈美のそれに及ぶべくも無い
「そんなの最初ッから知ってら!」
文にツッコムな
武は一度、地面に降りて、バックステップ
10m以上、香奈美と距離をとる
「行くぜ」
下段に構えた刀を西部劇の銃のように片手で回転させながら上へ
最上段に到った所でパシッと鞘を持ち、天に刃を突きつけるような構えとなる
瞬間、霊力が急激に高まり、その中心点は掲げた刀
「
〔御雷〕」
稲妻と共に雷光が迸る
数秒して、ようやく静まる
すると、武の手には刀ではなく別の武器、銃剣が握られていた
銃剣と言っても普通の銃剣は銃身の先にナイフを付けた物だが〔御雷〕はまったくの別物
西洋の両刃剣の刀身の中心に銃身が一体化しているかように埋め込まれており、穂先は二又に分かれて、弾丸を発射できるようになっている
刀身と銃身は鈍い鋼色、柄と鍔の付け根にトリガー、それも両方に一つずつ
「待たせたな・・・・第2ラウンド、開始だ!!」
銃剣を香奈美の方に向け、トリガーを引く
ガガウッ
銃口から発射されるのは圧縮された雷の弾丸
その速度はハンドガンで発射できる弾速を遥かに超えている
《雷電系》は属性の中でも威力とスピードは高い
反面、消耗が激しいが瞬発力は属性の中でも1、2を争う
「は、はや・・ッ!」
一撃目は直感で体を動かし、回避にし成功
しかし、二撃目は避けられずに脇腹を撃ち抜かれた
着弾箇所に衝撃が走り、全身には電撃が走る
どうやら、普通の弾丸と違い、本当に雷だけの弾丸らしく、風穴は開いていない
「くっ・・・・!?う、動けない」
「そりゃ、痺れてるからな」
香奈美はその声を聴いた瞬間、後頭部に硬い衝撃が走り・・・意識を失った
痺れて動けない間に武が後ろに回りこみ、柄で打ちつけたのだ
これで試合終了
天低門
白銀武VS七夜香奈美
斉藤徹VS浦島可奈子
斉藤徹と浦島可奈子の試合は一方的な展開
徹は一戦目と同じく、姿を隠してチマチマ削り、可奈子が焦れた所にカウンターで大き目の一撃を加えて、倒したといった試合内容
まあ、それはおいといて・・・・
ようやく、今日一番の注目試合が始まる
狭地門
両義式VS七夜志貴
「はぁ〜」
対戦表を見ておけばよかったと今更ながら後悔している今日この頃
その考えは現実とするにはすでに遅く・・・・
僕と彼女は互いの得物を持って対峙していた
「次!七夜志貴対両義式!」
シキシキコンビ誕生の巻・・・・なんちゃって
と、言うより・・・・・本気?
本気と書いてマジなくらい本気?
まさか、こんなに速く再会するとは思ってもいなかった
しかもこんな形で・・・・
再会するならまた月下でとロマンチックな考えを抱いていた自分が恥ずかしくなる
・・・・と、今は試合に集中集中
式の得物は日本刀
しかも、かなりの業物
一応、コレクターである僕が言うんだから間違いない
お気に入りは〔七ツ夜〕だから予備は投擲ナイフのみ
だが、里に戻れば、かなりの刀剣類がある
使用頻度はほぼ零だが・・・・
ま、それはともかくとして・・・・〔七ツ夜〕を除けば僕のコレクションの中にも式が持っている以上の業物はない
「では、始め!」
冬治の声で試合開始が言い渡された
次の瞬間には、二人は互いの得物をぶつけ合った
ガキィッン
甲高い音が鳴り響く
状態的にはスピードのある志貴が〔七ツ夜〕で斬りかかったのを式が刀で受け止めた
暗殺者である志貴が真正面から戦うなど愚の骨頂ではあるが様子見である
証拠にいつもと比べて動きが遅く直線的だった
祐一レベルでも一瞬でノックアウト、返り討ちにされていただろう
相手も様子見だったからか、それとも作戦か
どちらかは、わかりはしないが二人の試合は続行される
「疾ッ!」
「ッ」
式の袈裟懸けの斬撃
その鋭さは乙女のそれよりも上
志貴はバックステップで回避し、接近!・・・しようとしたが素早い斬り返しに脚を止めた
攻撃の種類を変更、ショートレンジでの突き
狙いは胴体
顔を狙っても避けられるのがオチだからだ
式は半身にして躱す
志貴は突きを払いに変え対応
だが式は冷静に刀を盾にして防御
その状態で固まった
「さすがに強いね、式・・・予想以上だよ」
志貴は話しかける
戦闘中に不謹慎とは思っていても・・・いや、戦闘中の会話だからこそ話すのだ
動揺を誘う意味も込めて
「俺は式じゃないぞ、志貴」
紛れもなく式の声だが違う
口調が変わっている
私が俺になり、口調も男のそれだ
気配とか、存在自体は式なのにまるで別人
「・・・・・君は誰?」
とりあえず尋ねてみた
式?は一旦間合いを離して
「俺は織だ」
シキ・・・・まただ
あの夜に式が言ったシキと同じ発音
一体何がどうなって・・・・あれ、待てよ?
そう言えば、あの時、秋隆さんは「式様達」をよろしくって・・・・
後ちょっともう1ピースくらい足りない
逆を言えば後少しでわかりそうな気がする・・・
なんだ、何が足りない・・・・
と、志貴が思考を張り巡らせると
ふと最後の1ピースを思い出した
いつ誰に聞いたかは覚えていないが内容は良く覚えている
『両義の者は内に二つの心を秘めている。所謂二重人格だ』
全てのピースが繋がり、答えが紡がれた
「君がもう一人の式・・・・だから、織。もしかして、神咲葉弓さんと戦ってたときも・・・」
「当たりだが遅いぞ、志貴」
第三者が聞いていたらややこしい事この上ない会話だ
しきしきしきしき・・・・誰のことを言っているのかわかりづらい
「改めて、俺は両義織、漢字は『
「よろしく、織、僕は七夜志貴・・・・知ってると思うけどね」
織はもちろんだ、と返す
「話は後だ・・・今は戦うぞ!」
「祐一と同じ人種か・・・・最悪」
と、愚痴をこぼしながらも迎え撃つ
今度は互いに全力で
先手はもちろん、志貴
一瞬で最高速度に至る
相手の目には消えたようにしか移らない
真正面からでも暗殺が可能
ただでさえ、『七夜』は人相手ならほぼ最強
そして、志貴はすれ違いざまに一閃
狙いは首筋
だが
ガキィッ
織は一閃を斬撃で返した
ほぼ完璧に読み取られたことに志貴は少し焦りを感じる
その隙に今度は織の攻撃
「はぁっ!」
唐竹割り
突然放たれた無拍子の斬撃
だが、同じ無拍子を会得している志貴には通じない
冷静に〔七ツ夜〕で受け流す
同時に一歩前に出てボディーブロー
常人なら骨を粉砕するぐらいの氣の入った拳撃
織も片手で受け流そうとするが流しきれない
端整な顔を歪めながら仕方なく後ろに飛んで威力をできるだけ殺す
志貴はその間にもう一度
攻撃を繰り出した
織は首を思いっきり逸らしギリギリ皮一枚でかわした
二人とも攻撃を終え、間が空いた
その間に織は体勢を立て直す
そして、二人の顔は・・・・・
笑っていた
誰もが見惚れるような笑顔ではない
その笑顔があるだけで誰もが幸せになるような笑顔ではない
楽しくて愉しくて堪らない笑顔
狂笑とも言うべき闘いを楽しむ表情
願わくは、一生続いて欲しい
この感情を持ち合わせている祐一も感じてくれるだろうか?
式は感じてくれているだろうか?
わからない、僕はまだ式をよく知らないから
だが、今はまだそれでいいだろう・・・・これから知ればいいだけだ
そう・・・・今はただ・・・・・・・・
この戦いを楽しもう!
続く
Shadow
Moonより
諸事情により、すみませんが感想は後日……
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