神凪屋敷の外れにある一番大きな野外道場
舞台となる剥き出しの地面は四方50mもあり、観戦席の役割を果たす
強力な結界により観戦席は守られている
「では、これより退魔連合親善試合を執り行う」
神凪重吾が観戦席の最上段に立ち、宣言する
観戦席には各一族の当主と試合に参加する者達
試合に出場する者はそれぞれ戦闘衣に着替えている
戦闘衣は退魔師が退魔を行う際に着る服のこと
それは伝統でもあるが規則として強制する組織は少ない
軍隊の軍服や制服とは、また違う意味を持つ
これだけの数の一族がいるとその戦闘衣の種類は多い
身を守る点は同じでも、戦術が違えば、ソレに応じて戦闘衣も違う
まあ、それはおいといて・・・・
レディースアンドジェントルマン!
待ちに待ったお待ちかね
ようやく、メインイベントの始まりだ
腕は鈍っちゃいねぇか?
刃はギンギンに尖らせているか?
結界の硬度は充分か?
闘志はガンガンに燃え盛っているか!?
OK!ならば、始めよう・・・・
楽しい
誰よりも気高く強く、そして・・・
第1章 第14話 全門第1回戦〜開始〜
舞台の壁に貼ってある試合表
子供部門と大人部門の二枚
その中の一枚
天低門
岩山正幹VS白銀武
神城凛VS七夜香奈美
斉藤徹VS北川潤
浦島可奈子VS神咲楓
狭地門
神咲葉弓VS両義式
七夜志貴VS灰谷真之
式森和樹VS青山素子
乙姫むつみVS斉藤風華
浅海門
神凪和麻VS白井功明
水瀬名雪VS石蕗真由美
杜崎沙弓VS鉄乙女
神凪咲耶
小人門
神凪綾乃VS羽鳥宗弥
七夜春歌VS神咲薫
美坂香里VS浦島衛
坂上智代VS岩山勇士
天低門、狭地門、浅海門、小人門
これらはリーグ戦形式の試合である退魔連合親善試合の組分けだ
ちなみにこれは子供部門の呼び方で大人部門は天門、地門、海門、人門
「さぁ、逝って来いやぁ、武!」
バチンッと痛そうな音を発てる武の背中
やられた本人は我慢できずにギャッと悲鳴を上げた
「痛ツツツ、試合前に何すんだよ、親父・・・しかも、漢字が違うだろ!」
背中を摩りながら父である影行を睨み、文句をたれる武
シャツの下を捲れば、大きな紅葉が出来上がっていることだろう
「それくらいでやられるたまじゃねぇだろうが!第一、相手も大したことはねぇしな」
影行は相手の方に目をやる
武の相手は石蕗の分家に当たる岩山正幹
実力差では圧倒的に武が有利の相手だ
「緊張はしてないな」
「油断するなよ」
「初戦だ。派手に散って来い」
「おう!・・って、最後!嘘でも言うな!!」
上から乙女、智代、祐一
最後の祐一の発言にはツッコむ武
「まぁ・・負けないけどな」
武は戦闘衣の襟を正す
その戦闘衣は彼の他に乙女や智代、祐一、影行、闘夜も着ている
黒い無地一色の和装服
和服に近いといってもゴテゴテの着物風ではなく、『動』の意を汲んだ装衣
袴も擦れ合わない程度に小さく、膝を曲げるのに一切の阻害を与えない程度に大きい
『相沢』に伝わる伝統的でありながら、現在に至るまで進化し続けてきた戦闘衣
衣は絹にある程度永続する護道≠フ中で付加したものを硬質化させる堅蓋≠ニ反射能力を付加させる鏡返転化=Aそして認識阻害の護道虚衣≠フ力を編み込んで一から作らせた一品
一族の中で戦闘を嫌う者や霊力や力の弱い者がそれを作る役割を果たす
坂上家などの白打を主戦法とする者達は肩と肩甲骨が剥き出しになっているタイプを使う
その名は〔
ただ、靴だけは、昔は足袋だったのだが今は自由となっている
武は肘が出る程度の長さの袖
刀は右肩背負い
映画で忍者などがよくやる背負い方は背中を斜めに横断するが武の背負い方は少し違う
右肩から地面と垂直に、担がれていると言った方が似つかわしい背負い方
「それでは天低門第1回戦を執り行います!『石蕗』一族、岩山正幹!『相沢』一族、白銀武、前へ!」
神凪が座る場所から舞台中央に出てきた男が大声で告げる
それに応じて、石蕗の観戦域から一人の少年が出てきた
「んじゃ、行ってくるぜ」
武は勢い良く、舞台へと飛び出した
「二人とも、準備はいいか?」
神凪から出てきた審判
豪放磊落を絵に描いたような人物
神凪分家が一にして分家最強の炎術師『大神』雅人
彼ならば、公平な審判をしてくれると思い、重吾は彼を審判に推した
頼道は渋い顔をしていたが・・・・
「いつでもいいぜ」
「早くしろ」
武、正幹の返答に雅人は男らしい笑みをして、頷き・・・・
「ルールは特に無い。ただし、故意に相手をしに至らしめるような攻撃があった場合、反則負けを宣告する。では、双方共に力のある限り戦うように・・・・・始め!!」
その声と共に両者は同時に動いた
続く
武の刀の差し方、「右肩背負い」は想像の中で考えたオリジナルの呼び方です
正しいのがわからなかったのでしっくりくるこの呼び方を採用しました
面倒くさかったのではないので勘違いなさらぬよう
Shadow
Moonより
諸事情により、すみませんが感想は後日……
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