香里:「ねぇ、本気でやるの?」
祐一:「仕方ないだろ。作者がこれしか思いつかなかったんだから」
 栞:「面白いんでしょうか?」
祐一:「多分……」
香里:「まったく」
祐一:「と、とりあえず、始めるぞ」


    爆笑・かのん寄席




 タキチンチン タンチンチン(出だしの音頭)


香里:「美坂香里で〜す」

栞:「美坂栞で〜す」

祐一:「美坂祐一で〜す」


 パシ!


祐一:「ぐ、ぐぇ!」


                わははは


香里:「ちょっと、あんたの名前は違うでしょうが」

祐一:「酷いぞ。俺も仲間に入れて欲しかったんだ」

栞:「ああ。ダメです。芸の世界は厳しいんです。そう簡単に私たちと同じラインには立てません」


香里:「それじゃ、もう一度行くわよ。美坂香里で〜す」

栞:「美坂栞で〜す」

祐一:「美坂秋子で〜す」






 シーーーーン





香里:「ちょっと外したじゃないの」
栞:「だから辞めようって言ったんです」
祐一:「あれ以外の台詞が思いつかなかったんだよ!」
香里:「まあ良いわ。無かった事にして行くわよ」
栞:「はい」




栞:「というわけでして」

香里:「どういう事なのよ」

栞:「私たち三人でこうして漫才をしているんですが、香里お姉ちゃんと私は姉妹でして祐一さんは(残念ながら)他人なんです」

祐一:「そうなんだ。俺にひたすらたかる『いちごだおー』と『たいやきうぐぅ』、『にくまんあう〜』の猛攻から耐えきれなく
    なって……。もう、俺は一体どうしたら良いのか……」

栞:「ちょっと奥さん、ダメですよ。はっきりさせないと。これじゃ、また同じ事の繰り返しだよ。んじゃ、ここでちょっとチーエム」


       パシ! パシ!


              わははは


栞:「い、痛いです!」

香里:「チーエムじゃないでしょ、シーエム。それに、あれだけたかっているあなたがそれを言う? まったく……。
   お昼の電話相談の人じゃあるまいに」

祐一:「あれって、結局本人が決断しないとダメだから、相談する意味があまり無いような気もするんだが」

栞:「わっ。祐一さん。それを言ってはダメです。
   う〜、漫才と言ってもこれだけ叩かれると痛いです。最近、頭叩かれ過ぎて、変な電波が聞こえてくるように
  なったというのに」

香里:「へ〜。それは凄いわね。どんな電波なの?」

栞:「アーアーアー。チキュウジンにツグ。ワレワレはコトザ、ダイセンセイウンからヤッテキタ、ウンモ星人でアル。
  24ジカンイナイに、チキュウジンのゼンメンコウフクを」


      パシ!


              わはははは



栞:「酷いです! まだ途中なのに」

香里:「あんた、ドラマどころかSFの見すぎ! それに、一体何十年前のSF映画なの!」

栞:「そんな事言う人、嫌いです!」

祐一:「えー、新宿方面。三台ありますか。新宿方面進行中、了解」


      バシ!


香里:「それは、東京無線。タクシー無線じゃないの! まったく、私をおちょくってるの」

栞:「あ、来た来た来た。再び来ました。んん、『今夜も60分めぐみに着いてこい! この番組はスターチャイルド
  レーベルでお馴染みのキング……』」


 パシ! パシ! パシ!


栞:「えぅ〜」

香里:「それはラジオの電波でしょうが! それに、今更こんなネタやられたって、大阪の人でもわかりっこないでしょうが!」

祐一:「えー、このラジオは今からざっと10年ほど前に……」

香里:「祐一もそこで説明しない!!」


               わははははは


香里:「ま、今はこんなしょうもない三人ですが、子供の頃はかわいいちゃんとした将来の夢があったんです」

祐一:「はいはいはいはい!」

香里:「はいはい。なに?」

祐一:「決まってるだろ。ハーレムの主だ!」


 ガン!


栞:「祐一さん、不潔です!」

祐一:「ぐぉ。今のは聞いたぞ。
    じゃ、栞は何になりたかったんだ?」

栞:「え〜と、そうですね。やっぱり、お嫁さんでしょうか。真っ白なウエディングドレスを着て……。
  えぅ〜、旦那さん色に染められちゃいますぅ〜」

香里:「ふっ。赤飯が来ているかどうかも不明な小娘は、やっぱり青いわね」

栞:「むっ。じゃ、お姉ちゃんは一体何なんですか?」

香里:「決まっているでしょ。声優よ声優」

祐一:「ああ、大手スーパーの職員か」
香里:「それは西友!」

祐一:「じゃ、風雅な遊びをする事」
香里:「それは清遊!」

祐一:「ヨーロッパに旅する事だな」
香里:「それは、西遊!」

祐一:「分かった! 政治家だろ」
香里:「それは政友……って、何であんたの脳味噌には声優って文字がないの! 声優! 声の役者、声の俳優でしょうが」

栞:「某大手監督は、声優でもほとんど俳優しか使いませんけどね」

祐一:「うむ。狸に出ていた恐妻におびえる旦那より、上手い声優はいると思うのだが」

香里:「え〜い、話を変な方向に持っていかない!」

栞・祐:「うぃ〜す」


栞:「それで、お姉ちゃんは声優なんですね?」

香里:「そうよ。

   『浩之ちゃ〜ん』

 カーー

   『浩之ちゃ〜ん』

 ヒヒヒーーーン

   『起きないと学校に遅れるよ〜』

   てね。って何やらせるよの!」


栞・祐:「勝手にやったんでしょうが(だろうが)!」


 パシ! パシ! パシ!


香里:「痛たっ!」


           わはははははは


香里:「というわけで」

栞:「え〜と、確かこの辺に……」

祐一:「ん? 栞。何を探しているんだ?」

栞:「そろそろ時間だと思って、『オチ』を探しているんです〜」

香・祐:「んなわけ、あるかい!!」


三人:「どうも〜」





           ちゃんちゃん


 どうも、皆さん。12式戦爆です。

 月影の館の8万ヒット記念に、こんなSSを送って良いのでしょうか?(汗)

 声優ネタはDCをやっていないだけに、自信なし(調べたけど)。違っていたら、メール下さい。直しますので(汗)。

 それでは、Shadow Moonさん。8万ヒット、おめでとうございます!

                12式戦爆


Shadow Moonより

愉快な漫才SS、たいへんありがとうございました。
なんとも懐かしいネタのオンパレードですね(笑)。
3人のやりとりが、とても愉快で楽しかったです。
いつも記念SSを頂いて、本当に感謝しています。
これからもがんばっていきますので、応援してくださいね。


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